事業承継・引継ぎ支援センターとは?
「後継者がいない」「誰に相談すればいいか分からない」——中小企業経営者の事業承継の悩みに対し、国が全国47都道府県に設置した無料・秘密厳守の公的相談窓口が事業承継・引継ぎ支援センターです。中小企業基盤整備機構(中小機構)が全体を統括し、各地の商工会議所等が運営を受託しています。17本目で紹介した「事業承継・M&A補助金」を検討する際も、まずこのセンターに相談するのが一般的な入口です。
運営体制と相談内容(図解)

相談できる内容は大きく3つに分かれます。
- 親族内承継:後継者への引き継ぎ方、株式移転の進め方についての相談
- 従業員承継:役員・従業員への承継における留意点
- 第三者承継(M&A):後継者不在企業の売却支援、買収を希望する企業とのマッチング
民間M&A仲介会社との違い(図解)
「M&Aの相談」と聞くと民間の仲介会社を思い浮かべる方も多いですが、公的機関ならではの違いがあります。

| 事業承継・引継ぎ支援センター | 民間M&A仲介会社 | |
|---|---|---|
| 相談料 | 無料 | 初期相談は無料の場合が多いが、成約時に高額な仲介手数料 |
| 立場 | 中立的な公的機関 | 営利企業(成約を前提としたビジネス) |
| 案件規模 | 小規模案件も広く対応 | 一定規模以上の案件を優先する傾向 |
| マッチングの範囲 | センター登録案件+後継者人材バンク | 自社の顧客ネットワーク |
「何も決まっていない段階」でも歓迎される点が公的窓口の強みです。方向性を決めかねている経営者が、まず情報収集のために利用するケースも多くあります。
「後継者人材バンク」という仕組み
センターには、後継者を探している企業と独立・起業を目指す個人(創業希望者)をマッチングする「後継者人材バンク」という制度があります。M&Aというと企業同士の売買をイメージしがちですが、個人が既存事業を引き継いで独立するケースの受け皿にもなっています。
事業承継・M&A補助金(17本目)との連携
センターでの相談を経て具体的なM&A手続きに進む場合、17本目で紹介した「事業承継・M&A補助金」(専門家活用枠等)を活用することで、仲介手数料等の負担を軽減できます。センターの相談員が、この補助金の活用方法についてもアドバイスしてくれることが一般的です。
相談の流れ
- 最寄りの都道府県センターへ電話またはWebで相談予約
- 初回相談(現状のヒアリング、選択肢の整理)
- 必要に応じて、税理士・弁護士等の専門家紹介
- 承継の方向性(親族内・従業員・第三者)に応じた具体的な支援
- (M&Aの場合)マッチング先の紹介、交渉支援
申請窓口:中小企業庁 事業承継・引継ぎ支援センター(都道府県ごとの連絡先一覧を掲載)
よくある質問
Q. 相談したら必ずM&Aをしなければいけませんか?
A. いいえ。相談だけで終えることも可能です。方向性の確認や情報収集のためだけの利用も歓迎されています。
Q. どんな規模の会社でも相談できますか?
A. 中小企業・小規模事業者であれば、規模を問わず相談できます。個人事業主も対象です。
Q. 相談内容の秘密は守られますか?
A. 秘密厳守が徹底されており、無断で情報が外部に漏れることはありません。
Q. 買収したい側でも相談できますか?
A. 可能です。事業を譲り受けたい、買収したいと考えている企業・個人も相談窓口を利用できます。
まとめ
- 事業承継・引継ぎ支援センターは、国が設置した無料・秘密厳守の事業承継相談窓口で、全国47都道府県にある
- 親族内承継・従業員承継・第三者承継(M&A)まで幅広く相談でき、民間仲介会社と異なり中立的な立場でアドバイスが受けられる
- 「後継者人材バンク」により、個人の創業希望者と後継者不在企業のマッチングも行っている
- 事業承継・M&A補助金(17本目)の活用相談も含め、専門家紹介まで一貫してサポートを受けられる
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※本記事は2026年8月時点の公開情報をもとに作成しています。運営体制・相談内容は変更される場合があるため、必ず中小企業庁・事業承継・引継ぎ支援センターの公式サイトで最新情報をご確認ください。



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