育児・介護休業法の2025年改正とは|企業が対応すべきポイントを解説 №62

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№62 育児・介護休業法の2025年改正とは?

2025年4月・10月と2段階で施行された育児・介護休業法の改正は、多くの企業で就業規則の見直しが必須になる内容を含んでいます。09本目で紹介した「両立支援等助成金」を活用する前提としても、この法改正の内容を理解しておくことが重要です。対応が済んでいない企業は、労務トラブルのリスクにもつながるため、早めの確認をおすすめします。

2025年4月・10月、2段階の施行スケジュール(図解)

育児介護休業法2025年改正の2段階施行スケジュール図
施行時期 主な改正内容
2025年4月 子の看護等休暇の対象拡大、残業免除の対象拡大、育児のためのテレワーク努力義務化
2025年10月 テレワーク選択の努力義務拡大、育休取得状況公表義務の対象拡大(300人超企業)

「子の看護休暇」が「子の看護等休暇」に変わった中身(図解)

名称変更だけでなく、取得できる理由と対象年齢が拡大されました。

子の看護等休暇の対象拡大内容を示す図
  • 対象年齢:小学校3年生修了まで拡大(改正前:小学校就学前まで)
  • 取得理由の追加:感染症に伴う学級閉鎖等、予防接種・健康診断のための世話も対象に
  • 勤続6か月未満の除外規定が廃止:これまで労使協定で対象外にできた短期間勤続者も、取得できるようになった

注意点:入学式・卒業式などの行事参加は法律上の取得事由には含まれません(企業が独自に上乗せして認めることは可能です)。

テレワーク努力義務化のポイント

3歳未満の子を養育する労働者、または要介護状態の対象家族を介護する労働者に対して、テレワークを選択できるよう措置を講じることが企業の努力義務になりました。

  • あくまで努力義務のため、導入しなくても罰則はありません
  • ただし、短時間勤務が困難な業務がある企業では、代替措置の選択肢に「テレワーク」が追加されており、こちらは労使協定の締結が必要です
  • 新たにテレワークを導入する場合は、就業規則の見直しが必要です

個別の意向確認義務の新設

改正で新たに追加されたのが、子が3歳になる前の適切な時期に、労働者の仕事と育児の両立に関する意向を個別に聴取し、配慮するという企業の義務です。これは労働者からの申出を待つのではなく、企業側から能動的に確認すべき義務である点に注意してください。聴取内容には、勤務時間帯・勤務地・両立支援制度の利用期間などが含まれます。

育休取得状況の公表義務が拡大

これまで従業員1,000人超の企業に義務付けられていた育休取得状況の公表が、2025年10月から従業員300人超の企業にも拡大されました。40本目で紹介したくるみん認定の要件とも関連するため、対象企業は自社サイト・厚労省の専用サイトでの公表準備が必要です。

企業がやるべきこと(チェックリスト)

  • 就業規則の見直し(残業免除の対象拡大、子の看護等休暇の要件変更)
  • 労使協定の見直し(勤続6か月未満の除外規定の削除・再締結)
  • テレワーク導入に関する規定の検討(努力義務への対応方針の決定)
  • 個別の意向聴取の実施体制づくり
  • 社内周知・相談窓口の整備

対応が遅れるとどうなるか

法改正への対応が遅れている場合、労働基準監督署からの是正指導の対象になる可能性があります。また、就業規則が実態と合っていないことは、労務トラブル発生時に企業側に不利に働くリスクもあるため、早めの整備が推奨されます。

申請窓口・参考リンク

よくある質問

Q. 小規模企業でも対応は必須ですか?

A. はい。従業員規模を問わず、就業規則の見直しや労使協定の再締結など、基本的な対応は必要です(育休取得状況の公表義務のみ、300人超企業が対象です)。

Q. テレワークを導入しないと罰則がありますか?

A. テレワークの努力義務化には罰則はありません。ただし、短時間勤務が困難な業務における代替措置としてのテレワーク追加は、労使協定を締結したうえでの対応が必要です。

Q. 子の看護等休暇は有給ですか?

A. 法律上は無給でも問題ありませんが、企業によっては有給としているケースもあります。就業規則で確認してください。

Q. 両立支援等助成金(09本目)とはどう関係しますか?

A. 09本目の助成金は、両立支援の取り組みに対する助成制度です。今回の法改正で求められる対応(テレワーク導入等)を進める際、あわせて助成金の活用を検討する価値があります。

まとめ

  • 育児・介護休業法は2025年4月・10月の2段階で改正され、多くの企業で就業規則の見直しが必要になった
  • 子の看護等休暇は対象年齢が小学校3年生修了まで拡大し、勤続6か月未満の除外規定も廃止された
  • テレワークの選択肢提供が努力義務化され、企業からの能動的な意向聴取も新たに義務付けられた
  • 育休取得状況の公表義務は、2025年10月から従業員300人超の企業にも拡大された

※本記事は2026年8月時点の公開情報をもとに作成しています。制度の詳細は改正される場合があるため、必ず厚生労働省の公式サイトで最新情報をご確認ください。

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