人材確保等支援助成金とは?
魅力ある職場づくりに取り組む事業主や事業協同組合等を支援する厚生労働省の助成金です。評価制度・賃金体系の整備、雇用管理制度の導入、テレワークの導入、外国人労働者の受け入れ環境整備など、「採用した人材に長く働いてもらう」ための職場改善が幅広く対象になります。
制度の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施機関 | 厚生労働省 |
| 対象 | 雇用保険適用事業所の事業主、事業協同組合等 |
| コース数 | 7コース(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース、テレワークコース、建設キャリアアップシステム等活用促進コースなど) |
| 支給の判断基準 | 取組の前後で離職率が低下したかどうか |
代表的なコース
雇用管理制度・雇用環境整備助成コース
評価制度・賃金体系の整備などが対象です。令和8年4月8日の改正で賃金要件が「3%以上/5%以上/7%以上」の3段階に細分化され、業務負担軽減機器等の導入で7%以上の賃上げを行うと、助成上限が最大325万円まで拡充されました。
テレワークコース
テレワーク制度の導入・拡大が対象で、最大35万円が支給されます。自社が「新規導入事業主」か「実施拡大事業主」かで要件が一部異なり、就業規則等にテレワークの定義以外の項目が1つでも規定済みなら「実施拡大事業主」に該当し、延べテレワーク実施回数を前3か月比25%以上増加させる追加要件があります。令和7年4月1日の改正で事前計画の認定は不要になりました。
建設キャリアアップシステム等活用促進コース
建設キャリアアップシステムを活用し、技能者の処遇改善を行った中小建設事業主に、対象技能者1人あたり16万円・年度あたり最大160万円を支給するコースです。
支給の仕組み:「離職率低下」がカギ
本助成金の大きな特徴は、取組の前後を比較して離職率が低下したかどうかで支給が判断される点です。
- 実施前のデータが存在しない新規創業等の場合、「評価時離職率を0%にする(誰も離職しない)」ことが目標として設定されます
- つまり、創業間もない企業でも受給自体は可能ですが、1人でも離職者が出ると要件を満たせなくなるため、難易度が高い点に注意が必要です
賃金引き上げとの連動(加算要件)
制度の導入・実施と併せて従業員の賃金を3%、5%、7%以上引き上げることで、助成額や助成率がアップする「賃金要件(加算要件)」が設けられています。労働環境の向上だけでなく、賃上げとして従業員に還元する取り組みが推奨されている形です。
申請の流れと資金繰り上の注意点
- 事業計画を立てて労働局に届け出る(多くのコースで事前の計画届提出が必須)
- 計画に沿って制度を導入・実施
- 効果測定期間(コースにより6か月〜1年程度)を経て、離職率などの成果を確認
- 支給申請
- 労働局の審査後、支給決定・入金
注意:助成金を受け取れるのは事業完了後の最後の段階です。自己資金を一度は拠出して事業を実施・完了する必要があり、事業完了から支給決定までの間、資金不足に陥る可能性がある点は資金計画に織り込んでおく必要があります。
他の助成金との使い分け
- 非正規社員を正社員化したい → キャリアアップ助成金
- 制度整備やテレワーク導入で定着率を上げたい → 人材確保等支援助成金
目的が異なるため優先順位というより、課題に応じた使い分けが基本です。要件が重複しなければ複数コースの同時申請も可能とされています(例:雇用管理制度コースとテレワークコースの組み合わせ)。
まとめ
- 職場環境の改善を通じて人材の定着・確保を図る事業主向けの助成金で、7コースから自社の課題に合わせて選択できる
- 支給判断の核は「離職率の低下」で、1人でも離職者が出ると要件を満たせなくなる厳しさがある
- 賃金引き上げとセットで実施すると助成額が拡充される仕組みがある(最大325万円のコースも)
- 助成金を受け取れるのは事業完了後のため、資金繰りの計画を事前に立てておく必要がある
※本記事は2026年8月16日時点の公開情報をもとに作成しています。コース構成・支給額は年度ごとに変更されるため、必ず厚生労働省の公式サイトで最新の支給要領をご確認ください。



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