エイジフレンドリー補助金とは?
正式名称「高年齢労働者の安全衛生確保対策補助金」。60歳以上の労働者が安全に働ける職場環境の整備にかかる費用の一部を、厚生労働省が補助する制度です。転倒防止・腰痛予防・熱中症対策など、高齢化が進む職場の労災リスクに直接応える内容になっています。
なぜ今、注目される制度なのか
2026年4月1日、改正労働安全衛生法が施行され、高年齢労働者への配慮が事業者の「努力義務」になりました。 休業4日以上の労災死傷者のうち60歳以上が全体の3割を超えている状況を背景に、令和8年度の予算は前年度の7.6億円から9.5億円(約25%増)に拡充されています。法改正への対応と、補助金の活用をセットで検討するタイミングです。
制度の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施機関 | 厚生労働省(事務局:一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会) |
| 対象 | 60歳以上の労働者を常時1名以上雇用する中小企業事業者 |
| コース構成 | 専門家総合対策コース(第1段階・第2段階)/熱中症対策コース/コラボヘルスコース |
| 申請受付期間 | 令和8年5月20日〜10月31日(予算到達次第終了) |
| 交付決定前の発注 | 補助対象外 |
3つのコースの違い

| コース | 対象 | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|---|
| 専門家総合対策コース・第1段階 | 外部専門家によるリスクアセスメント | 4/5 | 第1・2段階合計100万円 |
| 専門家総合対策コース・第2段階 | 設備導入・運動指導等(第1段階の結果を踏まえて実施) | 1/2 | 同上 |
| 熱中症対策コース | 空調服、移動式スポットクーラー等の導入 | 1/2 | 100万円 |
| コラボヘルスコース | 健康保持増進の取り組み(年齢要件なし) | 3/4 | 30万円 |
重要な注意点:専門家総合対策コースは第1段階と第2段階の合計で上限100万円です。それぞれ100万円もらえるわけではありません。また、コース間の併用申請はできず、年度内の申請は1回限りです。
対象になる設備の具体例と、対象外になりやすいもの

対象になりやすいもの
- 床の滑り止め加工、手すりの設置
- 移動式スポットクーラー、電動ファン付き作業服(空調服)
- 重量物運搬のアシストスーツ、昇降装置
対象外になりやすいもの(要注意)
- 事務室・作業場のエアコン設置(固定設備のエアコンは対象外)
- 扇風機、送風機、サーキュレーター
- WBGT指数計(令和8年度から対象外に変更)
「熱中症対策=エアコン」と考えがちですが、エイジフレンドリー補助金では固定式エアコンは対象外という点は特に見落としやすいポイントです。
対象になるための要件
- 中小企業事業者であること(業種ごとの従業員数・資本金基準あり)
- 1年以上事業を実施していること
- 労災保険の適用事業者であること
- 役員を除く60歳以上の労働者が常時1名以上就労していること(パート・アルバイト・契約社員でも可)
- 過去1年以内に労働関係法令違反による行政処分・送検を受けていないこと
申請の流れ
- 公式リーフレット・Q&Aを確認し、自社に合うコースを絞り込む
- 交付申請書類を準備(Jグランツまたは郵送、メール申請は不可)
- 審査(毎月末締切→翌月審査というスケジュールで進行)
- 交付決定後に設備導入・専門家指導等を実施
- 実績報告書を提出し、補助金が交付される
最大の注意点は「交付決定日より前の発注・契約・購入は一切補助対象外」というルールです。 過去には発注書の日付が交付決定日前だったために支払いを受けられなかった事例もあります。見積もりの取得までは進めても、発注は交付決定後まで待ちましょう。
他の助成金との組み合わせ
- 業務改善助成金(10本目で紹介):最低賃金引き上げと設備投資を支援。目的が異なるため同時期に活用できる可能性があります
- 人材確保等支援助成金(16本目):職場環境改善という観点で共通する部分があり、あわせて検討する価値があります
まとめ
- 2026年4月の法改正(高年齢労働者への配慮の努力義務化)を背景に、エイジフレンドリー補助金の予算は前年度比25%増と拡充されている
- 3コース構成で、専門家総合対策コースは合計100万円、熱中症対策コースは単独で100万円が上限
- 固定式エアコンは対象外など、見落としやすい対象経費の線引きに注意が必要
- 交付決定前の発注は厳禁というルールを踏まえたスケジュール管理が最重要
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※本記事は2026年8月時点の公開情報をもとに作成しています。対象経費・補助率は年度により変更されるため、必ず厚生労働省・エイジフレンドリー補助金事務センターの公式サイトで最新情報をご確認ください。



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