外国出願補助金とは|海外特許費用が最大300万円補助される仕組みを解説

中小企業向け補助金

外国出願補助金とは?

海外進出を目指す中小企業にとって、自社の技術・ブランドが海外で模倣されるリスクは大きな悩みです。特許庁が実施する外国出願補助金(正式名称:中小企業等外国出願支援事業)は、海外での特許・実用新案・意匠・商標の出願費用を半額補助することで、中小企業の国際的な知的財産戦略を後押しする制度です。

制度の基本情報

項目 内容
実施機関 特許庁(執行:INPIT〈工業所有権情報・研修館〉、JETRO、各都道府県等中小企業支援センター)
対象 中小企業基本法上の中小企業者・中小企業で構成される組合等
補助率 1/2
1事業者あたりの上限 300万円
2026年度の公募 第3回公募は2026年6月29日で受付終了、次回以降は公式サイトで随時公表

案件ごとの補助上限額(図解)

権利の種類によって、1件あたりの補助上限額が異なります。

外国出願補助金の権利種類別の補助上限額を示す図
出願の種類 1件あたりの補助上限額
特許 150万円
実用新案・意匠・商標 60万円
冒認対策商標(抜け駆け対策) 30万円

特許1件だけで申請しても、実用新案・商標などを組み合わせて複数申請しても、1事業者あたりの合計は300万円が上限です。

対象になる出願の流れ(図解)

補助対象になるには、すでに日本で出願済みの権利を基に、優先権を主張して外国出願を行うという順序が原則です(商標は優先権がなくても対象になる場合があります)。

外国出願補助金の対象になる出願の流れ図

対象になる経費

  • 外国特許庁等に納付する出願手数料
  • 国内代理人費用・現地代理人費用
  • 翻訳費用

対象になるための主な要件

  • 中小企業基本法が定める中小企業者、またはそれで構成されるグループ(構成員の2/3以上が中小企業者)であること
  • 応募時点で日本において特許等の出願が済んでいること
  • 採択後、その出願を基に優先権を主張して外国出願を年度内に行う予定であること
  • 外国での権利取得が、先行技術調査等の結果、可能性として否定されないこと
  • 外国出願した場合にその権利を活用する事業計画があること(商標は冒認出願防止の意思があること)

海外での係争対策も別枠で用意されている

外国出願補助金とは別に、海外で商標などをめぐる係争に巻き込まれた中小企業向けの対抗措置支援(補助率2/3、上限500万円)も用意されています。無断で商標登録された場合の取消活動などに使える制度で、あわせて知っておくと安心です。

自治体独自の上乗せ制度も

東京都中小企業振興公社など、一部の自治体では独自の知財関連助成制度を実施しています。弁理士報酬・翻訳費用・調査費用まで対象に含まれるケースもあるため、事業所のある自治体名でも確認する価値があります。

申請の流れ

  1. 各都道府県等中小企業支援センターまたはJETROの窓口へ事前相談
  2. 公募要領に沿って申請書類(外国出願計画、事業計画等)を準備
  3. 電子申請または窓口経由で応募
  4. 審査・採択発表
  5. 交付決定後、外国出願手続きを実施
  6. 実績報告書を提出し、補助金が交付される

申請窓口:INPIT外国出願補助金、特許庁 外国出願支援

よくある質問

Q. まだ日本で出願していない場合は申請できますか?

A. 原則として、応募時点で日本において出願済みであることが必要です(先に日本で出願してから申請する流れになります)。

Q. 個人事業主でも申請できますか?

A. 中小企業基本法上の中小企業者に該当すれば、個人事業主も対象です。

Q. 補助金は前払いですか?

A. 後払いです。出願手続き等を実施し、実績報告後に補助金が交付されます。

Q. 商標だけの出願でも申請できますか?

A. 可能です。商標は特許と異なり、優先権を主張しない出願でも対象になる場合があります。

まとめ

  • 外国出願補助金は、中小企業が海外で特許・実用新案・意匠・商標を出願する際の費用の1/2(1事業者あたり最大300万円)を補助する制度
  • 権利の種類ごとに補助上限額が異なり、特許は150万円、実用新案・意匠・商標は60万円が目安
  • 原則として日本で出願済みの権利を基に、優先権を主張して外国出願することが要件
  • 海外での係争対策支援や自治体独自の上乗せ制度もあわせて活用できる

※本記事は2026年8月時点の公開情報をもとに作成しています。公募スケジュール・補助率は変更されるため、必ず特許庁・INPITの公式サイトで最新情報をご確認ください。

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