事業承継・M&A補助金とは?
「経営者の高齢化と後継者不在で会社をたたむしかない」「M&Aで他社を買収したいが、仲介手数料が高くて踏み切れない」——こうした中小企業経営者の悩みに応えるのが、事業承継・M&A補助金です。事業承継・M&A・PMI(経営統合)・廃業を国がトータルで支援する制度で、設備投資から専門家活用費用、統合費用、廃業費用まで4つの枠でカバーします。
制度の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施機関 | 中小企業庁 |
| 対象 | 中小企業者、個人事業主 |
| 申請枠 | 事業承継促進枠/専門家活用枠/PMI推進枠/廃業・再チャレンジ枠 |
| 補助上限額 | 最大2,000万円(枠・類型による) |
| 直近の公募 | 第15次(2026年5月22日公募要領公開、申請受付は2026年6月中旬〜7月下旬予定) |
| 採択率 | おおむね60%前後で安定 |
4つの申請枠
1. 事業承継促進枠
親族内承継や従業員承継等を契機として、引き継いだ経営資源を活用した設備投資等を行い、生産性を向上させる取り組みを支援します。公募申請期日から5年後までの事業承継対象期間内に事業承継を完了することが条件です。
2. 専門家活用枠
後継者不在や経営力強化を背景とした事業再編・事業統合等の経営資源引継ぎ(M&A)のニーズを持つ中小企業者・個人事業主が、M&A仲介会社への専門家費用等を補助対象にできる枠です。補助上限は通常600万円(デューデリジェンス費用計上で800万円)、補助率2/3が目安です。
第15次公募の最大の変更点:この枠に「小規模売り手支援類型」が新設されました。小規模事業者のM&A仲介手数料を対象に、補助率一律3分の2、補助上限450万円(一部情報では150万円との記載もあり、公募回により変動している可能性があるため要確認)が設定され、小ぶりなM&A案件でも活用しやすくなっています。
3. PMI推進枠
M&A成立後の経営統合(PMI:Post Merger Integration)プロセスにかかる費用を支援する枠です。
4. 廃業・再チャレンジ枠
事業承継やM&Aが実現しない場合の廃業費用、再チャレンジに向けた費用を支援します。他の枠と併用することも可能なケースがあります。
過去の公募実績(申請件数・採択率の推移)
| 公募回 | 申請件数 |
|---|---|
| 11次 | 590件 |
| 12次 | 742件 |
| 13次 | 481件 |
| 14次 | 512件 |
採択率はおおむね60%前後で安定して推移しています。加点項目を適切に活用することで、採択可能性をさらに高められる制度設計になっています。
対象になる事業者
- 中小企業者、個人事業主
- 枠によって、事業承継の予定時期や経営資源引継ぎのニーズなど、追加の要件が設定される
申請の流れ
- 自社がどの枠(事業承継促進枠/専門家活用枠/PMI推進枠/廃業・再チャレンジ枠)に該当するかを検討
- 認定経営革新等支援機関等に相談しながら事業計画を策定
- 電子申請システムから応募
- 審査・採択発表
- 交付決定後に取り組みを実施
- 実績報告・補助金交付
枠の選択を誤ると採択の可能性を下げてしまうため、まずは自社の状況がどの区分に該当するかを慎重に検討することが重要です。
まとめ
- 事業承継・M&A・PMI・廃業を4つの枠でトータル支援する補助金で、最大2,000万円まで補助を受けられる
- 第15次公募では専門家活用枠に「小規模売り手支援類型」が新設され、小規模事業者のM&Aでも活用しやすくなった
- 採択率はおおむね60%前後で安定しているが、加点項目の活用や枠選択の見極めが採否を左右する
- 公募回ごとに補助上限額・類型が変更されるため、必ず最新の公募要領を確認する必要がある
※本記事は2026年8月16日時点の公開情報(第15次公募)をもとに作成しています。次回公募のスケジュール・補助上限額は変更される可能性があるため、必ず中小企業庁・事務局公式サイトの最新の公募要領をご確認ください。



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