【2026年最新】中小企業退職金共済(中退共)を解説|新規加入で最大6万円の助成と仕組みを図解

共済・金融支援制度

中小企業退職金共済(中退共)とは?

「従業員に退職金を用意してあげたいけれど、自社で積み立てる余裕がない」——そんな中小企業の悩みに応えるのが中小企業退職金共済(中退共)です。国(独立行政法人 勤労者退職金共済機構)が運営する外部積立型の退職金制度で、全国約37万事業所・約360万人が加入する、中小企業向け退職金制度の定番です。

23本目で紹介した「小規模企業共済」との違いにまず注意してください。小規模企業共済は経営者本人のための制度、中退共は従業員のための制度です。経営者・役員は中退共に加入できません。

制度の基本情報

項目 内容
実施機関 独立行政法人 勤労者退職金共済機構(中退共本部)
対象 中小企業の事業主(加入させるのは従業員)
掛金 月額5,000円〜30,000円(16種類)、全額事業主負担
新規加入助成 掛金月額の1/2(従業員ごと上限5,000円)を加入後4か月目から1年間
税制メリット 掛金は法人は損金、個人事業主は必要経費として全額計上可能

制度の仕組み(図解)

掛金を払う→積み立てる→退職時に「中退共から従業員へ直接」支払われるという、他の共済制度にはない特徴的な流れがあります。

中退共の仕組み図

新規加入助成の金額イメージ(図解)

新規加入すると、掛金の半分(上限5,000円/人)を1年間、国が肩代わりしてくれます。

新規加入助成の金額イメージ図

例えば掛金月額1万円の従業員を5人加入させた場合、1人あたり月5,000円×12か月=6万円、5人で合計30万円が国から助成される計算になります(上限5,000円/人なので、掛金1万円の半分=5,000円がちょうど上限と一致するケースです)。

対象になる中小企業の基準

業種 資本金・出資額 従業員数
小売業(飲食店含む) 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他の業種(製造業等) 3億円以下 300人以下

いずれかの基準を満たせば加入できます。初めて中退共に加入する事業主であることが新規加入助成の条件です。

見落としがちな注意点(図解で整理)

中退共の注意点3つ
  • 原則、従業員は全員加入:「正社員だけ」「希望者だけ」といった選抜加入は基本的にできません
  • 短期退職では掛け捨てに:納付月数11か月以下では退職金自体が支給されず、24か月未満では掛金総額を下回ります
  • 掛金は事業主に返還されない:一度納めた掛金を、従業員がすぐ辞めたからといって会社が取り戻すことはできません
  • 経営者・役員は加入できない:経営者自身の退職金準備には、小規模企業共済など別の制度が必要です

申請の流れ

  1. 従業員の同意を得て、加入させる従業員ごとの掛金月額を決定
  2. 「中小企業退職金共済制度 新規申込書」を作成
  3. 取扱金融機関(ゆうちょ銀行、農協等を除く)または委託事業主団体(商工会議所等)の窓口へ提出
  4. 審査後、「共済手帳」が交付され、口座振替で掛金納付が開始
  5. 加入後4か月目から、新規加入助成が自動的に適用される

申込先の一例:全国の取扱金融機関、または最寄りの商工会議所・商工会。詳細は中退共本部の公式サイトで確認できます。

まとめ

  • 中退共は従業員のための退職金制度で、掛金は全額損金・必要経費に算入でき、新規加入時は掛金の半分(上限5,000円/人)が1年間助成される
  • 経営者・役員本人は加入できない点が、小規模企業共済との大きな違い
  • 原則全員加入が必要で、短期退職では掛け捨てになるなど、導入前に押さえておくべき注意点がある
  • 申込みは金融機関・商工会議所の窓口で完結する

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※本記事は2026年8月時点の公開情報をもとに作成しています。制度内容・助成額は変更される可能性があるため、必ず中小企業退職金共済事業本部の公式サイトで最新情報をご確認ください。

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