教育訓練給付金とは?
「資格を取りたいけれど受講料が高い」——そんな悩みに応えるのが、雇用保険から支給される教育訓練給付金です。厚生労働大臣が指定した講座を受講・修了すると、支払った費用の一部(最大80%)が戻ってきます。08本目で紹介した「人材開発支援助成金」が会社が申請する制度なのに対し、こちらは個人が自分自身で申請する制度です。
3種類の給付金(図解)
教育訓練給付金は、講座の専門性に応じて3種類に分かれており、給付率・上限額が大きく異なります。
| 種類 | 給付率 | 上限額の目安 | 代表的な対象講座 |
|---|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 20% | 10万円 | 簿記、宅建、TOEIC、Webクリエイター等 |
| 特定一般教育訓練 | 最大50% | 25万円 | 大型自動車免許、ケアマネジャー等の実務直結資格 |
| 専門実践教育訓練 | 最大80% | 年間64万円(最長4年で最大224万円) | 看護師、介護福祉士、社会福祉士、MBA等の国家資格・専門職学位 |
専門実践教育訓練の給付の積み上がり方(図解)
専門実践教育訓練は、基本給付+条件達成による追加給付という段階構成になっているのが特徴です。
- 基本給付(50%):受講中・修了後に6か月ごとに支給
- 資格取得+就職で+20%:修了後1年以内に資格を取得し、雇用保険の被保険者として就職した場合
- 賃金上昇で+10%:訓練前後で賃金が5%以上上昇した場合(2024年10月以降に受講開始の方)
条件をすべて満たすと、合計で受講費用の最大80%が支給される計算になります。
対象になるための被保険者期間の要件
| 種類 | 必要な被保険者期間 |
|---|---|
| 一般教育訓練 | 3年以上(初めての受給なら1年以上) |
| 特定一般教育訓練 | 3年以上(初めての受給なら1年以上) |
| 専門実践教育訓練 | 3年以上 |
離職者の場合、受講開始日が離職日の翌日から1年以内であることも条件です。転職活動と並行して、早めに受講を検討する必要があります。
申請の流れ(一般教育訓練の場合)
- 教育訓練講座検索システム(JOBTAG/旧厚労省検索システム)で対象講座を確認
- 講座に申し込み、受講・修了する
- 修了日の翌日から1か月以内にハローワークで支給申請
- 審査後、指定口座へ振込
特定一般・専門実践教育訓練は、受講開始前にも手続きが必要です(事前のキャリアコンサルティング等)。一般教育訓練より準備期間が必要になるため、早めの相談をおすすめします。
注意点
- 給付額が4,000円を超えない場合は支給されません(受講費用が低額すぎる講座は対象外)
- 対象は入学金・受講料のみで、交通費・テキスト代・検定料は原則対象外
- 前回受給から3年以上経過していないと、原則再受給できません
- 教育訓練給付金と失業保険(基本手当)は、公共職業訓練受講中以外は基本的に同時受給が可能です
会社の研修としての活用も
在職中の方でも、会社が承認した専門実践教育訓練であれば給付を受けられます。個人が申請主体であることに変わりはありませんが、会社の研修費用負担を実質的に軽減する手段として、法人の人材育成戦略に組み込むケースも増えています。08本目の人材開発支援助成金(会社側の制度)とあわせて検討すると、研修投資の負担をさらに抑えられます。
まとめ
- 教育訓練給付金は個人が雇用保険から受け取れる給付金で、3種類(一般・特定一般・専門実践)に分かれる
- 専門実践教育訓練は最長4年、最大224万円という大きな給付を受けられる可能性がある
- 離職後の申請は、離職日の翌日から1年以内という期限に要注意
- 特定一般・専門実践は受講前の手続きが必要なため、一般教育訓練より早めの準備が必要
※本記事は2026年8月時点の公開情報をもとに作成しています。給付率・上限額・対象講座は変更されるため、必ず厚生労働省・ハローワークの公式サイトで最新情報をご確認ください。



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